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モチベーション革命ー稼ぐために働きたくない世代の解体書(著:尾原和啓)

要約

ダーウィンは「生き残る種とは、最も強いものでも、知的なものでもなく変化に適応したものだ」という言葉を残しました。モチベーションの変化は目に見えないものですが、この変化を捉えられないと、自分自身を動かすことも、チームで仕事と人をうまく動かすこともできません。今回はこのモチベーション革命とも言える変化の全貌をのぞいてみましょう!「モチベーション革命」の画像検索結果

目次

・乾けない世代とは?

・偏愛こそが自分の価値になる

・異なる強みを掛け算する最強チームの作り方

・個人の働き方

乾けない世代とは?

団塊の世代以降の若者世代は、生まれた時からないものがなく満たされている
=乾けない世代とよばれる

人間の欲望(≒モチベーション)は以下の5つからなる。

  1. 達成
    できなかった何かを成し遂げたり、目標をクリアすること、
  1. 快楽
    ドーパミンを感じること(好きな人と抱き合ったり)
  1. 良好な人間関係
    何もしなくても好きな人と笑顔でいたいといった感覚
  1. 意味合い
    同じ仕事でもそれを楽しめているという人の感じる幸せ
  2. 没頭
    職人気質の日本人に多く、細かな作業に集中している時に感じる幸せ。
    成長するというプロ意識

乾けない世代

意味合い、良好な人間関係、没頭を重視。
モチベーションは小さく身近な枠(友人、家族、自分)

リーマンショックやバブル崩壊など達成したことが崩れる脆さを危惧し、頑張る意味があるもの、好きなもの、ハマるものを重要視。また上の世代が大きな枠を作り上げてしまったので変えようがなく、小さな枠をモチベーションに

団塊世代以前

達成と快楽を、強く欲した。
例:高い目標を達成し綺麗な女性を高いワインを飲む。
モチベーションは国や政府を動かす大きな枠

何かの達成が同時に社会に貢献しており、たとえばトヨタで働けば、豊田市が豊かに、CMもたくさん流れるといった感覚。

現代と乾けない世代

現代はフェイスブックのマークザッカーバーグ氏のように、好きなことに仲間やお金が集まるので、好きなことを極めて楽しみをお金に変えていくことができる乾けない世代の強みが活きる。

モチベーションを失っている乾けない世代は、今している仕事に意味合いや没頭が見いだせていないのかも。

偏愛こそが自分の価値になる

乾けない世代のモチベーションのあり方がどう世界で求められるか。

時代が変わる=働き方が変わる。

人口減少、IT革命で変化がめまぐるしい時代という背景で頑張れば社会が成長する時代は終わった。

アイデア<インサイト

例えば食品を例にとると、ただ安全で美味しいといった最低限のレベルのものは溢れている(アイデアの飽和)。そこで消費者の細分化し変化しつづけるニーズに素早く応える必要がある。また潜在的なニーズも先読みし(インサイト)、商品をどう使うのかまでも提案する必要がある。このような新しい経験をプロデュースするのがこれからの仕事。

つまり変化を捉え続けないと価値を上げられない

変化に敏感になって、インサイトを増やすためには外部からの刺激を増やす必要がある。
▶️ユーザー目線を都市部でリサーチ、課題を見つける

参考:シリコンバレーの働き方
・休みが多い
・休日は家でのんびりしているのではなく、ユーザーの観察をしに外に出かける

仕事と休みの定義があやふやでいいのか?

仕事が楽しくて、公私混同して好きなことをしている感覚になれる仕事をすれば良い!

好きで好きでたまらないことなら、生きがいとしてお金にならなくとも休日でもユーザーの動向を自然に観察したりしてしまう。つまりライフワークとして休日でも放っておいても仕事が進んでしまう。

ただ好き勝手やるのではなく、人からの信頼を得るためにたとえ嫌いであっても地道な作業もきちんとこなしましょう。

人工知能に代替できないものは?

AIの時代で単純作業のような仕事が淘汰されていく中で、他人から感謝されてお金をもらえることは永遠に変わりません。ありがとうは漢字で有ることが難しいと書きますが、人は自分ができないことや難しいことをしてくれるからいくらでもお金を払うのです。

最も幸せなのは自分の好きでたまらないことが人のできないことと噛み合うことで、これをいかに見つけるかが重要なのです。「労力の割に周りが認めてくれることが自分の強みである」という言葉を任天堂の元社長岩田氏の言葉にもありますが、自分にとっては当たり前すぎてその価値を見逃しているものがあるかもしれません。

人工知能で代替できないのは嗜好性。誰になんと言われてもこれが好きだという偏愛。
人が頭で答えを出すようなものは人工知能の方が優秀ですが、嗜好性はファッションに代表されるように機能的でシンプルなものが良いのではなく、無駄な要素を掛け合わせ、個性を出すといった非常に非効率なものだからです。

グローバル化、インターネットで、コミュニケーションにかかる時間と距離がなくなる

人工知能でロボットが仕事を奪う、デジタルなものが台頭し仮想空間が台頭してきます。
一方で好き同士の結びつきは加速するので、どんどん情報を発信し、突き詰めましょう。すると次第に仲間ができるかもしれません。

変化することだけが確実なこれからの行き方

  • 最先端を走り続ける、遊びが仕事に
  • 伝統的な宮大工のような仕事で唯一無二の価値を目指す
  • 永遠のフリーターとして、自給自足その瞬間瞬間を楽しむ

 

異なる強みを掛け算する最強チームの作り方

乾けない世代とどうやって最強のチームを作るのか

瞬発力

決まった相手に対する対策だけでは、変化の時代に対応できない。
上司の指示を待つのではなく、部下がその瞬間に判断できないと、時代に置いていかれます。

そこで現場がユーザーのインサイトをなるべく早くアイデア化できる瞬発力を身につける必要があるのです。
チームがフラットで同じ価値観しかないと、変化に気づくことができないので、敏感に変化に対応するためにあらゆる強みや得意分野持ったバラエティをチームに加えておきます。何が必要になるかわからない状況では、今まで無意味に思っていたメンバーの強みが発揮されるかもしれないからです。凹凸はうまく組み合わせ、それぞれが得意に集中できる環境を作ることができればいいですね。

信頼

弱みもオープンにして信頼を、得ることが仕事を加速させます。
疑いはプロジェクトを停滞させるので信頼して任せる、いかに相手の意図を汲み取るか。メンバーがその時その場でしかできないことをそれぞれが完遂すると信じられるかといったことが重要なのです。

ではどうすればいいのか。

違いは人から理解されないと、価値を発揮しません。そこで違いが生む価値を考えてみましょう。

他者への理解を広げるためにも、最初は怖いと感じる違いについて自分から理解しようと努めると、そのうち理解する過程が楽しくなります。

「好奇心とは相手の中にある自分にない奇なものを好きになる力」

現在は恵まれた環境が整っており、ネットを最大限駆使して、異なる習慣や文化に触れることができます、まずは少しでもこれらに触れ、不安を減らしましょう。

なぜやるのか?=WHY

できるだけモチベーションを下げずに仕事をしてもらうためには?

やりたいことと求められることは必ずしも一致しません。
そこで一人一人がなぜやりたいのかWHYを大事にし、やりたいことと現場での作業をすり合わせましょう。もちろんやるべきこととの兼ね合いも忘れずに

時にはリーダーが強烈なWHYを発揮し、説明をすることでWHYの合わない人はチームから外しても、需要と供給の問題だと納得してもらえるかもしれません。

個人の働き方

変化の時代におけるモチベーションをエンジンにした新しい働き方とは?

人と人をつなげてイノベーションを! *ご縁はお金に変えない。

人との出会いを使ってお金を得てしまうと、そこから生まれるイノベーションが自分の儲けるものとして濁ってしまう。一方で、お金が関与しなければ双方の信用につながり、このご縁が自分にとっても最大の投資として返ってくる。

強みを磨き続けて、自分にしかできない仕事を!

筆者の例.

  1. 最新技術に詳しい→新規プロジェクトで将来のリスクを誰よりも早く予測できた→新規プロジェクトに呼ばれる→さらに最新技術に強くなる
  2. 議事録をリアルタイムでとる→会議に呼ばれる→客観的に会議にアドバイス、話題をまとめる→ファシリテーターやプロジェクトの支援

このように自分の好きなことをひたすらやり続けると、活動範囲が広がったり、好きなことがバージョンアップしていく。

好きに打ち込むと、得をする!(コツコツが浮かばれる)
例えばライブ配信で応援してもらえたり、ウーバーで信頼を得て、新車を買う予算になったり。

どうやって強みを見つける?

自分の好きと向き合う。引きこもってでも自分と向き合い唯一無二の価値を見つける。オンライン上でいくらでも趣味や興味を共有できる。

まず人と違うことを恐れる感情を捨てる。もちろん人と違うことは受け入れてもらえない恐怖がある、一方でそれが行きすぎるとエッジが効いて面白くなる→仲間ができる。どんどん自分の好きを晒せばいい!自立とは依存先(好きで繋がる)を増やすこと。

筆者の例.
いつでも赤いマフラーを巻いている。
初めはすごく恥ずかしい。→次第に自分の顔を覚えてもらえて、声をかけてもらえる(赤いマフラーが仲間に見つけてもらう目印に!)

日本人が好きを貫く弊害

迷惑をかけちゃダメという思想。人から見た何かを気にして生きている、あれをしたらどう思われるかな?と常に考える。結局、判断基準が自分がどうしたいかじゃなくなってしまう。

インドの教えに自分も迷惑をかけるから、相手の迷惑も受け入れるという考え方がある。

昔の日本でも戦後の皆で一台のテレビを見るお互い様の文化があったが、現在はテレビは一家に一台で、人様に迷惑をかけちゃダメという思想が根付いている。

迷惑をかけたら、ありがとうで返せばいい。

シェアリングエコノミー

Airbnbなど空き資産のシェアで生まれる価値を好きの追求に利用する!

例.
Airbnbを使えば二軒の家を購入し、一軒を貸し出すことで家一軒分の値段で二ヶ所に住むことができる。

インターネットのレビューを使えば綺麗に使われるかな?といった不安も解消。

レビューが良ければ信頼を得ることができる(星の数などで信頼を可視化)ので、貸し出す側も課される側もお互いに持ちつ持たれつの関係性を築ける。

情けは人のためならず(己のためなり)

持っているスキルや知識、時間をシェアしていこう。思わぬ利益が生まれるかも!

公私混同して、人生というプロジェクトを遂行する

非日常で仕事をする。

仕事(オン)と私生活(オフ)の切り替えではなく、働きながら非日常(新しいものに触れる)にいる。生きがいをお金にかえるライフワークバランスが重要。生きがいのために働く

物が溢れた時代に必要なのは意味のイノベーション

Apple社のiPhoneは電話というツールを、リアルに触れ、自分を好きになる、表現するという新しい意味にイノベーションさせた。

人とは違う解釈をすれば、そのものに新しい見え方や価値が生まれる。つまり新しい意味をもたらすのは人とのズレや歪みの部分である。

現在社会では秀逸な解釈を早く発信すると、承認欲求を埋められるが、人との違いを成長させる前に、それをアウトプットすると、他者の考えにバイアスされ、せっかくの歪みが消えてしまうので、じっくり自分と向き合って自分の価値観を作り上げることが必要。

生きがいは何?

  • 大好きなこと
  • 世界から必要とされていること
  • 稼げること
  • 得意なこと

この4つが交わるところが生きがいになる!

好きなことはやり続けられるので得意になる→得意なことは時間をかけてこだわるので、素早くこなせるようになる→これはあることが難しいこと(他の人はそんなに簡単にできない)でありがたいと感謝され、価値が生まれる(稼ぐことができる)

ライスワークを減らしてライフワークを増やす

ライスワーク:生きるために必要
ライフワーク:自分の人生、自分の好き

ライスワークはあくまでもライフワークに費やすリソースを獲得(お金、時間)するためのものと割り切る。ライスワークでの人脈や経験をライフワークに勧化していけば、自ずと自分の人生が充実して楽しくなる!

まとめ

ないものを作ろうと必死に働いてきた上の世代と、ないものがなく生まれた時から満たされている新しい世代が、どうやって上手く協調し、新しい価値を生み出せるのか。そんなことがこの本を読めばわかります。「価値=違い×理解」という筆者の掲げる方程式の意味もぜひ理解してください。