就職・転職

大学院生が長期インターンシップに行くべき理由

研究を止めてでも長期インターンシップに参加するべき!

研究も止めずにインターンシップで社会経験が積めればベストですが、研究分野の近い企業での研究開発型インターン等を除いてそんな仕組みはまだそこまで多くはありません。

インターンシップは人脈、経験など得られるものが多く、研究室にずっと篭るよりも遥かに密度の高い時間を過ごせると思います。

インターンシップに行くべき理由

「自分の価値がわかる」

論理的思考力、分析力など博士人材の価値として巷で取り上げられる要素がありますが、それは博士人材が持つほんの一部分の能力でしかありません。インターンシップでは自分では当たり前と思っている能力が高く評価されたり、思いがけず研究の過程で習得していた能力に気付いたりすることができます。

博士が就活で苦戦するといったイメージがあるのは事実ですが、自らの能力をしっかり客観視して、言語化しておくことができれば、就活においてもその能力をしっかり相手に伝えることで、博士として高く評価されるのではないでしょうか。

インターン先の探し方

①軸を決める
【例】就職したい企業、就職したい業界の企業、経験が積める企業、人脈が広がる企業、経験をアウトプットできる企業、など

自分のやりたかったことを軸にした

1.自分が一人の研究者として与える社会的インパクトは小さい・・・
自分より優秀な研究者をもっと増やしたい

2.優秀な研究者が日本や科学のために研究する環境がいろいろな面で不十分・・・
→研究の環境を変えたい

3.いろいろな方面から研究を支える方法はある・・・(知財、コンサル、投資、産学連携、オープンイノベーションなど
シンクタンクなら幅広い企業、大学にもコネクションがあるし、多方面から研究を俯瞰しながらサポートできるのでは?

②候補先をWEB検索でリストアップ
*今からでも興味のある企業や研究所を探しておくと良い

③志望度をランキング化
*アプローチの順番などを決める

筆者はシンクタンクに興味があったので以下のような企業や組織をリストアップしました。

・三菱UFJリサーチ&コンサルティング
*OB訪問で会社を訪れた、就職を希望
・リクルートワークス研究所
*就職に関する学生などの動向、企業の採用活動に関する研究
・価値総合研究所(日本政策投資銀行系)
*産学官の連携や人材育成に関する調査研究
・科学技術・学術政策研究所(文部科学省)
*知り合いがインターンシップを実施(実施実現可能性が高い)
・国立教育政策研究所(文部科学省)
*生涯学習に関する調査研究や中高の教育ガイドラインの策定
・日立総合計画研究所
*科学技術のトレンドの研究
・三菱総合研究所
*通常のインターンに応募済み
・NTTデータ経営研究所
*エンジニアにも接点がありそうなのでスキルの幅を広げられる。
・東京大学未来ビジョン研究センター
*大学内で研究について考えられるのでより現場感覚が得られる。
・野村総合研究所
・日本総合研究所
・みずほ総合研究所
・みずほ情報総研
*志望度はあまり高くなかったが、どうしてもの時用にリストアップ

インターンに参加するには?

①まず自由応募で依頼メールを送ってみた

→公にはインターンシップを受け入れしていない企業が多く、断られるケースも多かった。

②大学の産学共創本部(研究開発インターンの斡旋などをやっている)の教員にコーディネートを依頼

→研究型インターンのコーディネータとしての知見や人脈を駆使して、面談や依頼書の添削、企業の紹介などインターンシップ受け入れまでトータルにサポート頂けた。

コーディネーターの所感
・シンクタンク系はなかなか長期インターンシップが決まりにくいイメージ。
・博士人材にどう活躍してもらうかイメージができていない?
・過去に2名のシンクタンク希望の博士人材のコーディネートをした際にも、何社もアプローチが必要で大変だった(最終的には文部科学省のNISTEPでインターンシップを実施したらしい)

所属研究科や関連部署の教員、知り合い、キャリアセンターのサポートなど使えるものは全て使ったほうが良い

③コーディネーターと一緒にインターンシップ提案書の作成し企業へのアプローチ

・履歴書
・研究内容兼自己紹介
・志望理由
・インターンシップでやりたいこと
・会社に貢献できること

熱意を見せる為、上記書類を担当者に送った
*担当者は何かしらの接点でメールや連絡先を入手する(いきなり人事部に送ってもなかなか厳しいかも。。。)

・博士取得者や博士取得を目指す学生の社会経験や研究の社会実装等の経験の場ともなる大学発ベンチャー支援に関しての調査
・知的財産の観点からの研究戦略や開発戦略に関わる調査
・科学技術動向の調査、国が研究開発の方針を決定する際に行う会議や学術振興会議などに関する調査、提案書の作成
・企業での製品開発と大学での研究をつなげたり、企業と大学の人材交流を深めたりする産学連携に関わる調査
・大学や大学院での教育などに関する調査など、人材育成やキャリアアップに関しての調査

✨提案書(やりたいこと、できること)や企業の方にもわかりやすい研究内容のまとめ(自己紹介ポスターも可)を作成しておく(ある程度使い回しできる)

インターンで得られたこと

・普段とは違う仕事をこなすことで、気づいていなかった自分の力を客観視できた。

インターンに行く前に

「目的があるか?」それが一番重要です。

・外から研究を眺めてみてどこから研究を支えるのか考えたい
・シンクタンクでのリサーチスキルを身につけたい
・研究者がビジネスの現場で発揮できる価値を見出したい
・シンクタンク業界とのコネクションを作る

まとめ

時間的な制約は正直ありますが、それ以上の経験をつめる場所が外の世界にはあります。
枠組みに則ったインターンシップではなく、自分から提案するインターンシップという形という裏技もあります。